制限があるからこそ生まれる
自由なクリエイティビティ

2020/12/25 公開
Shibuya StreetDance Week 2020 アンバサダー/アーティスト 三浦大知さん

Shibuya StreetDance Week 2020 アンバサダー/アーティスト 三浦大知さん

それぞれが決めた人生のチョイスを尊重し、認め合いたい

幅広い層に支持される新しい芸術文化としてのストリートダンスの確立とストリートダンサーの聖地である渋谷から世界へ良質なエンターテインメントを発信することを目的に、2015年からスタートしたShibuya StreetDance Week(以下、SSDW)。
2020年11月1日から7日まで開催された今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、従来の代々木公園等での開催を見送り、オンラインでの実施となりました。

今回、アンバサダーとして参加したのが、アーティスト・エンターテイナーとして多くの支持を集める三浦大知さんです。

三浦さんに、SSDW2020を振り返っていただくとともに、2020年のご自身の活動を通して感じたことをお聞きしました。

「今回は、アンバサダーとして、またテーマソングの『Yours』という楽曲を通じて、SSDW2020に参加させていただきました。『Yours』は、まさに今年のコロナ禍で、自分の中から生まれたメッセージを込めて制作した楽曲です。ですから、この楽曲を通じて、ダンスでみんなとつながることができたのはとても嬉しかったです」

では、その『Yours』に込めた想いとは…。

「今年は、特に新型コロナウイルスの感染拡大が起きて、人生というのは本当に先が読めないし、何が起こるかわからないということを実感しました。みんなもそうだと思います。そういう人生の中で、何かを決めていくのは自分自身です。それぞれの人たちが自分自身で決めたチョイスを、お互いに尊重し合いたい。悩んだり、苦しんだりした結果のチョイスもあるかもしれない。だからこそ、そのチョイスを認め合えたらいいなと思いますし、そうできたら素敵なことだというふうに思ったんです」

込めた想いは、必ず伝わる

今回、SSDW2020テーマソング『Yours』に合わせた様々なパフォーマンス投稿動画をつないで、ひとつの映像作品として結実させる『ONLINE DANCE WITH music』という企画も実施されました。

「本当にたくさんの方々からの投稿をいただき、それが自分の楽曲を通じてダンスでつながれるのはとても幸せだなと感じました。みなさんの込めたものがしっかりと作品になることを心がけました。みんなそれぞれの人生を踊っています。それぞれの場所でもがいたりもしているかもしれない。そこでは独りなんだけど、そうやって独りで踊る人たちがたくさんいることによってつながることもできるんです。出来上がった映像作品を見て、この楽曲の新しい可能性が広がったのかもしれないと思いました」

ONLINE DANCE WITH music

SSDW2020「ONLINE DANCE WITH music」

今年予定されていたライブにも大きな影響があり、映像に想いを込めるということは、三浦さん自身もオンラインライブを通して感じたこととも共鳴しているようです。

「これまでやってきた観客のみなさんと作り上げるライブとは違って、レンズの向こうにいる人たちのことを想像することで生まれるエモーショナルな想いを込めるというのがオンラインライブなんだろうと思います。そこに挑戦できたことで、ライブの形態はまったく違うコンテンツではありますが、オンラインだから伝わらないということはないんだという発見を得たことはとても大きかったです」

工夫やアイデアで、想像したものを超える

そうした発見に至る過程には、三浦さんのクリエイティビティに対する想いがありました。

「もちろん今年起こったコロナウイルスの感染拡大は、大きなことです。でも、クリエイティビティということで言えば…」と言葉をつなぎます。

「何もかも自由にできる状況じゃないほうが圧倒的に多いですよね。だからこそ、工夫やアイデアで、想像したものを超える楽しみがある。例えば、ライブにおいて物理的に無理なことはたくさんあります。でも実際の演出として、こうしたらより伝えたかったことが届くのではないかと考えることが楽しい。うまくいかないことにたくさん向き合って、でも最終的には“これ”が生まれるためだったんだということを楽しめたらいいなといつも思っています。だからオンラインライブにおいても、実際の会場では共有できなかったけれど、届けたいという強い想いの感覚をシェアし続ければ、本当に会場にいるような気持ちでつながれるんだと思います」

SSDW2020 アフタームービー

ダンス表現は常にチョイスの連続

お互いのアイデアや可能性のチョイスを尊重したいという『Yours』に込めた想いはダンスにも通じているようです。

「ダンスという表現方法は、ひとつしか正解がないものではありません。例えば、多彩なステップを踏む表現も、逆に一切動かずに止まっていて一つの音だけをひろって瞬間的な動きで表現することも、どちらもその音に対する正解かもしれないし、それは時々によって違うものです。楽曲と世界観の解釈から、表現したいことの中で常にチョイスし続けるんです」

SSDW2020「ONLINE DANCE WITH music」の模様

好きだからこそ、考え続けられる

楽曲とダンスを通じて表現したい人たちに向けてのメッセージとは?

「誰かのためじゃなくて、自分のために踊ってほしいです。だからこそ思いっきり楽しんでほしい。楽しまないと続きませんから(笑)。それはダンスだけじゃないですね。うまくいかなくて落ち込むことは決して悪いことじゃない。だから楽しめたもの勝ちです。もし楽しむ秘訣があるとすれば、それは考えること。考えることと悩むことは近いけれど、ダメだったら、“じゃあ、どうしたらうまくいくか”を考えることで指一本でも前に行けると思います。好きだからこそ、きっと考え続けられるんですよね。
今の時代に生きる特に若い人たちは、とても柔軟。SNSなどをうまく使って、楽しみながらたくましく乗り切るアイデアをたくさん持っていると思いますね」

取材・編集:岡島朗

プロフィール 三浦大知(みうら・だいち)

1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。 Folder のメインボーカルとして1997年にデビュー。
2005年3月にシングル「Keep It Goin' On」でソロ・デビュー。
天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操るスーパーエンターテイナー。
2012年に日本武道館、2013年に横浜アリーナ、2017年には国立代々木競技場第一体育館にて単独公演を大成功させ、ライブの規模も年々拡大させている。
2020年11月11日ニューシングル「Antelope」(アンテロープ)をリリース。カップリングには6月にデジタルリリースし、8月Choreo VideoをYouTubeで公開した楽曲「Yours」(SSDW2020テーマソング)、「Not Today」を収録。

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